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【ふなっちゃん通信】 Vol.7 富士山もいよいよ春本番!

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(積雪量の多い富士山の春 2014年3月6日撮影)

まずは1枚目の写真をご覧ください。富士山の森林限界(約2,500m)以上の部分以外にも、森林の中にまで多くの雪があることが一目でわかるかと思います。市街地まで大雪に見舞われた2月14日から半月が経ち、除雪がひと段落して通常の生活を過ごし始めることができた3月の様子です。この後に気温は徐々に上がっていき、14日には富士山北麓四合目の富士スバルラインを分断する大規模な雪崩が発生したことは報道でご存知の方も多いかと思いますが、着実に春に向かって暖かくなる日が多くなってきています。しかし、富士山には着実に多くの雪がまだまだ降っています(この原稿を書いている4月5日の深夜にも、今年の「雪納め」と思われる雪が富士山北麓には降っています…(泣))。

 

富士山の積雪量は4月が一番!

富士山麓にお住まいの方にとってはよく知られていることではありますが、富士山に最もよく雪が降り積もるのは春になってからなのです。特に4月下旬ごろが一番よく積もります。もちろん麓では4月下旬ともなれば「ふきのとう」や「つくし」「桜」といった春の風物はすでに終わりの頃ですが、そこはさすが日本一の富士山。風が強くて降った雪が吹っ飛んでしまいそうなイメージのある富士山頂も、今までの最深積雪量は1989年4月27日に記録された338cmが最高記録です。富士山頂中央火口ならきっと十数メートルにもなるのではないでしょうか。現在では、2004年9月に富士山測候所の常駐観測が終了してしまっているので正確な観測は行われていませんが、やはり富士山に一番雪が降るのは1枚目の写真のようにやはり春のようですね。これは過去の統計を見てみてもわかります。

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(1965~2003年統計より平均値を計算)

 

私は、気象予報士でも気象学の専門家でもないのであまり詳しいことは書けませんが、これまでの統計で言うと富士山頂の最高気温が初めて0度以上になるのは、毎年4月下旬のようです。そしてこの頃に毎年最も多い積雪量を記録しているみたいです。ただし、毎年「絶対に」春になると雪が多いというわけではなく、例えば1971年なんて1年間で最も雪の多かったのが5月の記録なのですが、たったの60cmです。雪の多い年と極端に少ない年があるというのも、日本一の富士山が故の振れ幅なのでしょうか…?

いずれにせよ、これだけの雪が富士山に積もっているわけですが、雪が多くなってきたからこそ、春を感ぜずにはいられない毎日となってきましたね。

 

季節を感じることができるのも… やっぱりフィールドサイン!

「ふなっちゃん…フィールドサインの話ばっかりだね…」

「また今月もフィールドサインの話か…」

このページをご覧になって下さっている方々からも、スタッフサイドからも、そんな声が聞こえてきそうですが、私は続けますよっ!! もちろんフィールドサイン探しが大好きなことは否定しません。だって楽しいですから(笑)。例えば植物の場合ですと、いろどり美しい花が咲いたり、かぐわしい香りがしたり、紅葉したりすることなどからも、私たちにとって季節を直感的に感じやすいですよね。しかし動物たちの世界は違います。そもそも動物たちは、他の生き物たちに対して潜んで暮らすことで身の危険を回避しているわけですから、私たち人間がその姿をなかなかお目にすることはできません。そんな動物たちの生きている証が、フィールドサインです。当然ですが、生き物たちの世界にも季節は巡っているわけで、フィールドサインも季節感にあふれています。

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(モズの「はやにえ」 2012年5月8日撮影)

2枚目の写真はモズという鳥の「はやにえ」です。森に生息しているネズミの頭が食いちぎられていますね(ちょっとショッキングな写真ではありますが、自然の営みそのものですのでご容赦を!)。モズという鳥はご存知のように漢字で「百舌鳥」と書くように、様々な鳥の鳴きまねをしたりすることができる小さな鳥です。富士山周辺に生息しているモズたちは、晩秋から春にかけて里山の比較的低いところで越冬しているのがよく観察されます。この「はやにえ」は、獲物を樹木の枝など尖ったところに串刺しにするモズ独特の習性です。この習性の理由はよくわかっていませんが、その季節に初めて捕えた獲物を生贄として神に捧げているとか、お腹が空いていない時にも本能的に狩りをしてしまい、食べるのを持て余して刺してしまうとか、春に昆虫たちが多く飛び回るまでの保存食であるとか、鋭いくちばしで捕えるのは得意だけど、脚の力が強くないから枝に刺してフォーク代わりに固定して食べているなど、とにかく色々な説があります。

そして興味深い説に、「その年に降る積雪量がわかる」というものがあります。その年の冬に降る雪の量を予想して、雪に埋まってしまわない高さ以上の枝に刺すのだそうです。この写真は2012年の春に地上約1m程度の比較的低い場所で見つけたのですが、この年の降雪量は確かに多くはありませんでした(富士河口湖町の最深積雪量が1月の43cmでした)。

残念ながら昨年秋からこの春にかけて、私はまだモズの「はやにえ」を確認することができていないのですが、モズたちは今年の冬のこの大雪を予想できていたのでしょうか…? どなたか1.5m以上の高さにあるモズの「はやにえ」を発見した方はぜひ、ふなっちゃんまでご連絡下さいっ!

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