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【ふなっちゃん通信2017】Vol.2 プロジェクト直前、長袖長ズボンの必要性

富士山も少しずつ冬支度をはじめましたね。五合目付近は黄葉で色づき始めています(写真1枚目)。
黄色い帯状のものは、主に五合目のオンタデやダケカンバなどの黄葉ですかね。
さて、いよいよあと一週間ほどで富士山クリーンプロジェクト2017ですね。今年のプロジェクトに
ご参加されるみなさん準備はいかがですか?今年の現場もなかなかパンチのきいた大変な場所です。

「こんなところに捨てられているのか?」
と何度も思いたくなるほどの場所ですが、こうした場所の不法投棄までていねいに見つけ出し
シラミツブシに富士山をきれいにしていこうという富士山クラブさんの意気込みを強く感じる場所です。

そしてそんな場所だからこそ、普段の生活ではあまり気にすることもない
アウトドアならではの危険ももちろんあるわけです。今回は活動の直前ですので、
この点についてのご案内です。アウトドア活動で「危険」と言えば、誰しもまず「毒」を想像するかもしれませんね。
山ではヘビやスズメバチ、蚊やダニのことも気になります。海ではクラゲが代表格でしょうか?
もちろんエイやフグなどを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが今回は「棘(とげ)」についてちょっと書いてみたいと思います。

外に出ていて棘に刺さった経験はおそらく誰にもあるかと思います。
庭いじりをしている時にバラのトゲが刺さったり、幼い頃にちょっと草むらの中に手を入れた時に
ノイバラの棘が刺さったり。小さいクセに痛いんですよね〜。大した血が出るわけでもないのにヒリヒリするし、
抜いたら抜いたでかゆいし…。できれば出会いたくないものです。

そもそも棘ってなんなんでしょう?棘にも実は色々とあって、茎や枝が変形したものや、
バラなどに代表されるような茎の表皮が変形したもの、葉っぱが変形したものなど色々ですし、
厳密には棘とは違うイラクサの「刺毛(しもう)」もあります。秋になるとズボンにくっついてくる
ヤエムグラなどの種子(「くっつきむし」など)は、「かぎ状毛」も似ていますが、棘ではありません。
どれもこれも痛かったり痒かったりするのは同じなんですが、まぁ学問的にはちゃんと分類されています。

こうした棘は、自分達が食べられないようにするための防衛手段として進化したとされています。
死滅するほど食べ尽くされないように、ある程度の防衛をすることと引き換えに、
種子散布の方法を動物や鳥たちによる捕食を利用しない進化をしたと言えるのかもしれません。
話はちょっとそれますが棘があるものも美味しいものあるんですよね。春の恵みである
タラノキやモミジイチゴにも棘がありますし、富士山の大きなアザミである刺々しいフジアザミ(写真2枚目)も、
根っこの味噌漬けは美味しかったりします(山ごぼうの名で売られてますね)。

私たち人間はそんな植物の戦略を凌駕して、自然の恵みを頂いてきた歴史があるんですね。
話は戻りますがイラクサはシカたちに踏み潰されないようにするために嫌がる物質(ヒスタミン)を棘に含ませています。
イラクサを感じで書くと「蕁麻」と書くそうで、これが蕁麻疹の語源なのだそうで、触れると非常に痒くなります。
よく不法投棄されている現場にあるカナムグラという植物は、その名を「鉄葎」と書きます。
「葎(ムグラ)」とは雑草が繁茂して絡み合っている状態を指すそうですが、カナムグラは非常に密生して
繁茂していることが多い植物です。茎や葉柄に強靭な棘があり、やはり肌をこすってしまうと非常に痛い植物です。

また、防衛手段としてではなく道具として進化させたものもあります。
つる性植物の場合は茎などの細かな棘を利用して他の植物などに引っ掛けて生長するための棘です。
古来日本の草木染めの材料として利用されてきたアカネなどはまさにこれですね。

棘の役割と進化の過程などについてはまだまだ多くの謎があるようです。興味を持たれた方はぜひ、
研究にチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。小学生なら夏休みの自由研究には
いい素材かもしれません(もう秋ですが)。

 

フジアザミ(161009_022) のコピー (1)

 今回の文章の中で私が挙げた植物は、いずれも富士山麓に生育している棘(っぽいものも含みます)のある
植物たちです。当然ですが不法投棄されている現場にだってあります。
そしてこれ以外にもかぶれる危険のある植物があったり有毒な虫がいたりするわけですから、
野山に出かける際には必ず長そで長ズボンの着用が必要になるんですね。

棘にも負けない鋼の肉体をお持ちの方でもぜひ、肌の露出を控えるようにお願いいたします。
活動の当日にも富士山クラブさんからの指導で危険な植物に関するアナウンスもあると思いますので、
しっかりと聞いて楽しい活動にしましょう!

 

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