【ふなっちゃん通信】Vol.21 お決まりですが…熱中症には気をつけましょう!

そもそも熱中症とはなんでしょう?

今年の夏も本当に暑い日が続きますね。暑いだけじゃなく大雨や雷などの気象条件もあって、アウトドアレジャーを楽しむ夏の日には雨具を持ったりなにかと色々と気をつかわなくてはならない昨今ですね。そんな中でも特に注意を払わなくてはならないのが「熱中症」です。大人でも子どもでも富士山でも海でも川でもどこででもみんなで気をつけたいことですから、今回のコラムはこれがテーマです。

「熱中症」とは、簡単に言うと人間の体温調節機能が異常事態となって、様々な症状が起こることです。例えば非常に気温が高い中で激しい運動や労働を継続していて、異常に体温が上昇してしまい、汗も上手にかけなくなってしまってバタッと倒れてしまうようなことです。ある有名人が庭先でバッタリと倒れてしまって救急搬送とか、買い物中に車の中で子どもが熱中症でグッタリしてしまい重体とか、クラブ活動中に突然倒れてしまい痙攣を起こす、お年寄りが家の中でクーラーをつけずに過ごしていて…などなど、夏になれば必ずと言っていいほど熱中症のニュースをみますよね。

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 日本一太陽に近い場所での直射日光(2014年8月22日撮影)

そもそも人間は体温をある程度一定に保つことができる動物(昔は恒温動物と表現されていましたね)ですから、気温が高くなったり低くなったりしても体温を調節する働きを備えています。こうした体温を調節する代表的な仕組みは

1 皮膚から体熱を放出する

2 汗をかいて、その汗が蒸発するときの気化熱を利用する

このふたつがあります。体温よりも気温が低ければそもそも体熱は逃げやすいので(みなさん学校で習いましたよね?熱は高いところから低いところに伝わります)体温調節には問題ありません。また汗をかいて気化熱を利用するのも素晴らしい機能です。

ところが、体温よりも気温が高くなってしまうと、皮膚からの熱の放出がうまくいかなくなり、体温の降下を発汗に頼らざるを得なくなります。しかし発汗して汗を蒸発させたいのに、湿度が高いと(一般的には湿度75%以上)汗をかいてもダラダラと流れ落ちるだけで蒸発せず体温が下がらない。そうなるとドンドン体温は上昇してしまい熱中症になってしまうわけです。

皮膚からの熱の放出がうまくいかなくなる理由はもうひとつ。体温が上がると血管を拡張して皮膚の血流量を増やし放熱効果を高める機能も人間は持っているのですが、発汗しすぎて体内の水分量が極端に減ってしまうと心臓や脳を守るために自動的に血管を収縮してしまうので体内の熱を放出しづらくなってしまうんです。人間の体は本当によくできていますね。

こんなときには熱中症ですよ!

熱中症には大きく分けて4つの種類があるとされています。以下、症状と原因をまとめてみましたので、ちゃんと覚えておきましょう!

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 熱中症は夏の暑い日の風物詩のようになってしまっていますが、室内でももちろん起こりますし、よく言われるのが普段からクーラーなどの冷房に慣れ過ぎていて汗をかけない体になってしまうと、そもそも人間が備えている体温調節機能が低下してしまっているので、熱中症になりやすいといったことがあります。汗をかくことは恥ずかしいことでも汚らしいことでもなんでもありません。人間の備えている素晴らしい環境適応能力ですから、普段から思う存分に汗はちゃんとかきましょうね!

熱中症になってしまったら…そして熱中症にならないためには…

暑い日に突然一緒にいた人が倒れてしまったりしたらもうそれだけでアタフタしてしまいがちですが、ちゃんとした対応をすれば重症化するのを防げます。本当に基本中の基本の応急処置ですのでしっかり覚えてください!

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 とにかくこの4つです。これ以外には、例えば顔や皮膚が青白く体温がそれほど高くない(熱疲労)場合には心臓より脚を高くして横になるほうがよく、逆に顔や皮膚が赤く発汗していないような時(熱射病)には上半身を高くしたほうがよかったりします。また、体を冷やすのには血管が皮膚の表面に出ている首や脇の下、脚の付け根などに濡れたタオルや氷をあてると、血流を冷やすことができるので体温を下げるのに効果的です。熱射病で意識障害などが見られたりした場合にはすぐに救急車を呼んだほうがまちがいありません!ですが意識がない人への水分補給だけは絶対にやってはいけません!救急車が到着するまでは上記のことをしっかりとやって応急処置をしましょう。

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森の木陰は熱中症予防にもいいですね(2015年7月27日撮影)

そしてなによりも、熱中症にならないようにするためにはまず服装です。そもそも山や森などでのアウトドアレジャーの場合にはマストアイテムではありますが、やっぱり帽子は最強です。頭は太陽に一番近いんですし、何より日本人の多くは熱を吸収しやすい黒髪なんですから(笑)、ちゃんと帽子はかぶりましょう。直射日光が首の裏側、うなじのあたりに当たり続けていると熱中症になりやすいので、ここをちゃんと隠しましょう。キャップタイプの場合はツバを後ろにするだけでも違います。そして服はできるだけ通気性の良いものを着ましょう。速乾性のシャツなどは通気性にも優れているだけでなく、汗染みを気にする方にもオススメです。

もちろんこまめな水分と塩分の補給も大切です。よく予防のためにスポーツドリンクをゴクゴクと飲んでいる印象もありますが、かなり糖分も入っているのでその点だけは要注意。欲しい塩分ももちろん入っていますが飲みすぎると…別な病気になっちゃいますからね。飴やタブレットでも最近では塩分を取ることができるものもたくさん出ていますので、こうしたものはちゃんと携行するようにしましょう。でも日本人にはやっぱり麦茶と梅干しあたりがいいんでしょうか…?

外出する時にはタオルや保冷剤などを持ち歩くようにしたりする習慣づけも大切です。濡らしたタオルを首に巻いておくだけでも全然違いますし、保冷剤は特に子どもがいざという時にはタオルで保冷剤を包み脇の下に当てることもできる小さくても頼れるアイテムです。

 

太陽に当たることは生き物にとってとても大切なことです。だからこそ、熱中症にならないようにしながら太陽のエネルギーとも仲良くつきあって、楽しい夏を過ごしましょう!

…あれ?

今回は「富士山」って言葉を文中にほとんど使いませんでしたね(笑)

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