【ふなっちゃん通信】 Vol.2 富士山の初冠雪のころ

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(2011年初冠雪 2011年9月24日撮影)

富士山の初冠雪のころ

富士山麓も秋の訪れを日々強く感じられる季節になりました。秋の味覚の収穫や漁獲、紅葉の話題が新聞紙面やテレビで賑わい、日中でもTシャツだけでは肌寒く感じられる日が多くなるので衣替え。富士山五合目ではすでに紅葉が進み、登山シーズンの賑わいとは一味違う行楽シーズンを迎えています。

そしてこの季節の富士山の話題はなんと言っても「初冠雪」です。麓がちょっと肌寒くて、富士山の山頂付近にうっすらと白い雲でもたなびいていたら「おっ!ついに富士山に雪が降ったか??」なんて思わず声に出してしまいます。ご存知のとおり、富士山の初冠雪は気象庁が発表して報道されるわけですが、この「冠雪」という言葉にも、ちゃんとした定義があります。

対象とする山の一部が雪等の固形降水により白くなった状態が初めて見えたとき

簡単にいうと、雪やひょうなどが「見えた」時です。そして、高い山での「初冠雪」は、

山頂付近での1日の平均気温が1年で最も高い日以降の冠雪のこと 

と、なっています。富士山の冠雪を確認しているのは山梨県の甲府地方気象台ですから、富士山の初冠雪というのはつまり、

その夏に富士山で一番暑かった日よりあとに、甲府地方気象台から気象台職員がその目で富士山に雪があるのを確認できたら初冠雪

と、いうわけです。静岡県民のみなさんが「おいおい、剣ヶ峰に雪があるじゃないか」とか、同じ山梨県内でも富士吉田市や富士河口湖町のみなさんが「朝見たら雪があったぞ」とか、登山者が「山頂付近で雪にあっちまったよ」と言ったとしても、それだけでは公式記録にはなりません。富士山頂付近に雲がかかっていたり、甲府市の空が曇っていたりして、気象台の職員さんが「いやぁ~今日は富士山の雪は見えないな」と机に戻ってしまったら、残念ながら初冠雪にはなりません。また、どんなに早く降ったとしても、降ったあとに山頂の気温が高い日があったりすると、それも初冠雪にはなりません。

例年、9月の最終週から10月の初めにかけて、この初冠雪のニュースが訪れます。これまでで最も早かったのは2008年の8月9日一番遅かったのは1956年の10月26日。私がこの原稿を書いている10月4日現在、富士山は見ることができず、麓では雨が降っています。さてさてこの雨雲が去ったら…ワクワクしますね。

さて、そんな富士山の初冠雪ですが、何も公式記録がすべてというわけではありません。自治体から企業・個人にいたるまで、たくさんの人が富士山の山頂に雪が降ったその瞬間を発表しています。「富士山の初雪」などのタイトルで画像がWEB上に掲載されますし、山梨県富士吉田市では毎年富士吉田市内からの初雪を観測できた日に「富士山初雪化粧宣言」を発表しています。最近加わった非常に楽しいものでは、静岡県の、県道223号線から観測される「駿河湾からみる富士山初冠雪」を発表するとのこと…って、このニュースご存知ですか?

正式名称は「県道223(ふじさん)号清水港土肥線」。静岡市の清水港と伊豆市の土肥港を結ぶ駿河湾フェリーの航路が、海上県道として2013年4月に認定されました。この航路上で、駿河湾フェリーの船長さんが、毎朝富士山の冠雪を確認して独自に発表するというものです。富士山北麓に住んでいる私にとってはなんとも魅力的!素敵な富士山からの季節の便りがまたひとつ増えましたね。

そんな10月はいよいよ「富士山クリーンプロジェクト」が開催されます!ご応募いただいたみなさん、雪が降るくらいなんですから、富士山の麓だってやっぱり寒いですよ。当日までの体調管理に気をつけつつ、当日の服装も「あと1枚」持ってきたりすると安心です。あとは野口健さんのテンションについていけるようにしっかりと心の準備(?)をしておけば大丈夫です!

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画像提供:株式会社エスパルスドリームフェリー

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